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風見篤史のブログ


by akazami
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勝手にしやがれ

2010年7月30日(金)
勝手にしやがれ
勝手にしやがれ_c0107704_2128173.jpg
昨日は買い物があったので久々に東京まで行ってきました。
やっぱいい!東京はいい!人がめちゃめちゃいる!あーやっぱり都会に住まなきゃなぁ~と改めて思った次第。大好きな東急ハンズでの買い物もウキウキ気分で必要ないものまで買っちゃた・・・。
あー僕は東京が大好きです(でも本当はパリのほうがもっと大好きです)。

DVD『勝手にしやがれ』(監督:ジャン=リュック・ゴダール)を鑑賞。
もちろん知っての通り映画史を革命的に塗り替えたヌーヴェルヴァーグの傑作。
それまでのセット撮影からロケーション撮影へ、アメリカB級映画からの影響、登場人物の新鮮な躍動感など革命的傑作を語る言葉はいくもある。そのあらゆる映画の革新性の中でも僕がゴダールの映画をどこまでも愛するのは50年代までの映画にはなかったその”映画のデザイン性”である。

とにかくゴダールのファッショナブルかつフォトジェニックな手持ち撮影によるモノクロの画面構成は、今をもっても全く古さを感じさせない。ハンフリー・ボガード風に細いスーツにサングラスと帽子を被ったジャン・ポール・ベルモンドが常に銜えタバコでパリの街を駆け回り、女の部屋でグダグダする姿はスタイリッシュでとにかく”カッコイイ”のである。さらにTシャツにサングラスでボーダー姿のジーン・セバーグがもとにかく"めちゃカワイくてめちゃカッコイイ”のである。

全編に流れるモダンジャズがさらに映画を惹き立てる。フォトジェニックな映像センスに魅せられた僕は、アメリカB級映画風の”物語展開”などはさして問題にならない。
僕が勝手に提唱する【映画デザイン論】から考えると、誤解をされることを承知で敢えて極論すれば、ゴダールの映画とは”前衛的なオシャレ映画”なのである。

このゴダールの偉大なる長編デビュー作『勝手にしやがれ』は2010年の現在でも、ヌーヴェルヴァーグ、はたまた映画史に燦然と輝きを放っている。

「・・・全く最低だ」
「最低って何のこと?」


勝手にしやがれ_c0107704_2146271.jpg『勝手にしやがれ』(59年/フランス)
監督:ジャン・リュック・ゴダール  ★★★★





(写真は大好きな画家モンドリアンの画集から)
by akazami | 2010-07-30 21:53 | 映画