風見篤史のブログ


by akazami
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カテゴリ:映画( 50 )

原作モノ

2010年8月28日(
原作モノ
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今日で長かった1週間が終わった。
ふー。同じ1週間でも前のようなダラダラと無為に過ごす日々ではなく、まともに労働しながらビューンとして過ぎていく感じではあるので週末がくると「やった、お疲れお疲れ」と自分を褒めたくなる。しかし、僕のことだ油断は禁物と気を引き締めながらアイスコーヒーを飲む。

家に帰りMSNで映画の予告編をダラダラと見ている。月に1回くらいのペースで予告編を見たくなるのだが、つい動画を覘きはじめるとあっという間に1時間くらい経ってしまい目が非常に疲れる。YouTubeもそうだが、PCの動画を長時間眺めているとへんに疲れていけない・・・。

しかし、田舎で地味に働いている間に映画は次々に公開されているという事実に改めて驚く。中でも公開される日本映画が、圧倒的に原作モノに覆われていることに「うーん・・・」となる。漫画の原作やテレビドラマの映画化ばっかりで何も観ていないのに”ガックリ”としてしまう。やはり映画製作もビジネスなので知名度があり、ある程度観客動員の確保を期待できるような大コケしない「原作モノ」ばかりになってしまうのか?

これもプロデューサー側からのリスクヘッジだろうが・・・うーんやっぱ面白くない。どうも観たいと思えない。僕はやっぱり監督が自分で”これを撮りたい”と思って作る”オリジナル脚本”の映画を観たいと思う。作家性のある(映画作家の隠し切れない個性が全編を覆っているような)監督の作品が観たい。


北野武、坂本順治、岩井俊二、黒沢清、瀬々敬久などによる”作家性の映画”が乱立した90年代前半のような”ヌーヴェルヴァーグ(新しい波)”はやってこないのか?
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by akazami | 2010-08-28 22:45 | 映画

菊池成孔のゴダール論

2010年8月17日(火)
菊池成孔のゴダール論
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何かの文章を読んでビックリすることは、かなり少ない。
しかし、さっきwebの記事を読んだのだが・・・それには“けっこう”というか“かなり”
ビックリした。軽い衝撃とも言える。

それは早稲田大学で行われた「ゴダールシンポジウム」のメイン企画、菊池成孔(音楽家)と佐々木敦(批評家)の対談のレポート。そこでの菊池成孔によるゴダール批評は全くオリジナルな視点と”革新的”でなおかつ”核心的”な分析にはもう驚嘆で、軽く感動さえする。

●パリコレやディズニー映画、
そして韓流ドラマからの「視聴覚の齟齬」。
●“ズレ”と“同期”。
●『女は女である』についてのユニークな考察。

そして、
「ゴダールは音楽と女の扱いに困っている」
と、アッサリ言い切ってしまう・・・こんな事を言う人はどこにもいない。

彼は、ゴダールについて僕が“ぼんやり”感じている感触・感覚・センスといった
すごく”不透明なもの”を、非常に明晰な言葉と抜群の切れ味で語ってみせる。
最新で独創的で最高にスリリングなゴダール論だ。


もう僕は批評家・菊池成孔に夢中である


【菊地成孔×佐々木敦『ゴダールシンポジウム』:レポート】
(CINRA.NETからの記事)
http://www.cinra.net/interview/2010/08/17/000000.php
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by akazami | 2010-08-17 22:11 | 映画

『乱暴と待機』

2010年8月16日(月)
『乱暴と待機』
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今日からまた仕事である。
毎日とてつもない残暑だが、大事な時期なので集中して頑張ろう!昨日も書いたが公開前の作品に期待している作品がいくつかあると言ったが、『ノルウェイの森』に続いてもう一作品を紹介したい。

それは今年の10月に公開される冨永昌敬の新作『乱暴と待機』。早く観たいと今からワクワクしている。原作の本谷有希子の2007年に公開された傑作『負抜けども 悲しみの愛を見せろ』(吉田大八監督)観てから原作者の彼女の存在がずっと気になっていた。

本谷有希子は「劇団 本谷有希子」を主宰し劇作家・演出家・作家と日本のカルチャーを牽引するような活躍する才人。一方メガホンを取る監督の冨永昌敬も若手日本映画作家の中で大きく注目されている人物。この2人のコラボレーションはぜひとも早く観てみたい(ちなみにこの2人は僕と完全に同世代の芸術家)。

予告編を観ているだけでワクワクで、さらに音楽が相対性理論と大谷能生いうユニットアーティストが参加していいるのも注目だし、映像業界も深刻な不況の中、こういった若い世代のセンス豊な芸術家の仕事に期待が募る。



『乱暴と待機』【公式サイト】
http://www.ranbou-movie.com/
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by akazami | 2010-08-16 03:04 | 映画

『メイド・イン・USA』

2010年8月15日(
『メイド・イン・USA』
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本日は久々の休日であった。
まぁ休日といってもこの暑さでは家でグダグダするだけ・・・はぁ暑い。・・・う~ん・・あつい。

VHS『メイド・イン・USA』(監督:ジャン=リュック・ゴダール)を鑑賞。
この時期の他ゴダール作品と同様に原色溢れるハードボイルドタッチのデザイン映画。
ほとんどすべてのカットが洗練されたデザイン性で設計されている。原色の壁をバックにトレンチコートを羽織ったアンナ・カリーナが煙草を手に振り返る・・・そう、こんなキメキメの美しいカットがこの映画を象徴していると思う。

以外にびっくりしたのがアヴァンギャルドなその音響設計。ゴダールが孤独に実践している映像と音を分離して考え、それをコラージュ的に再構築するいわゆる“ソニマージュ”理論は80年代以降の作品からだと思っていたのだが、この1966年の作品でもすでにその実験的な音響デザインの傾向が現れている。僕はこの音の“ハチャメチャ”具合にワクワクさせられたのだった。もう、ゴダールってなんて自由なの!

物語的にはアメリカB級映画に敬意を込めたのであろうハードボイルドな感じだが、登場人物の設定やストーリー展開などはほとんど理解できず・・・。映画を観ながら「お前は誰で一体なんしてんの?」てな感じ。

まぁ映画は物語やテーマを“理解するもの”ではなく、絵画を鑑賞するように”感じるもの”だと僕は思っているので、話やテーマを理解できなくても「うん、このイメージは好き!」と感じることができれば映画的に全然OKなのである(もちろん内容を理解することも形式を好きと感じることもない作品は僕にとって“いい映画”ではなくなるし、当然多くの映画は僕的に“いい映画ではない”場合がほとんど)。

ブルース・リーの名言がここにある。

“Don’t think, feel!(考えるな、感じろ!)”



c0107704_16123935.jpg『メイド・イン・USA』(66年/フランス)
監督:ジャン=リュック・ゴダール   ★★★
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by akazami | 2010-08-15 16:19 | 映画

映画『ノルウェイの森』

2010年8月14日(
映画『ノルウェイの森』
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まだ公開されていないが、非常に期待と不安を持って期待している作品がいくつかあるのだが、その一つが今年の12月公開予定の映画『ノルウェイの森』。監督は『青いパパイヤの香』のベトナム出身のトラン・アン・ユンで主演の二人は松山ケンイチと菊池凛子。東宝配給のかなりの予算の大きな作品であると思われる。

僕は俗に言う”ハルキスト”自認しており村上春樹の作品はほとんど読んでいる。中でも特に好きな作品の『ノルウェイの森』の映画化にはかなり驚いた。しかも外国人監督である・・・。ほとんどの人と同様に僕も、溺愛している原作の映画化には期待と不安のゆれの間にさらされる「映画化ってどうなの?」「失敗しないで欲しい」etc・・・
果たしてユン監督はどこまで村上作品の魅力を映像化できるのか?

公式サイトの特報を観る限り「僕」役のマツケンと「直子」役の菊池凛子が雪原の中の走る美しいイメージ印象的で、一見デジタル撮影と分からないほどのクオリティに驚く。
お~いい感じだ、かなり透明感ある映像。もしかしたら監督のセンスがはじけた傑作になるかもしれん・・・う~ん、どだろ?
この映画だけは12月に必ず劇場に駆けつける


『ノルウェイの森』公式HP
http://www.norway-mori.com/
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by akazami | 2010-08-15 02:13 | 映画

軽蔑

2010年8月13日(木)
軽蔑

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どうにか順調に仕事をこなしている。
悪くない滑り出しだ。しかし、会社のPCと自宅のノートPCの作業スピードの差に驚いている。うちのパソコンは遅い・・・、重い・・・、動かない・・・、非常にストレスがたまる。パソコンの知識があまりに乏しいのでこの差の原因がよくわからない。うーんタスクが重いっていうのか?どうにかならないものか・・・?

DVD『軽蔑』(監督:ジャン=リュック・ゴダール)を鑑賞。
とにかく映画全体が赤・黄・青・白といった美しい原色に溢れた作品である。主人公の広々としたマンション壁は目が痛くなるくらい真っ白で、そこに青と赤の大きなソファがあり、木製のモダンなインテリアが並んでいる。その部屋の中を決して帽子を取らないミシェル・ピコリと真っ赤なガウン姿のカトリーヌ・ドゥヌーヴが口論をしながらせわしなく歩き回る。そんな原色溢れる超ゴダール的な空間をカメラマンのラウル・クタールが流暢なカメラワークで収めてゆく。
「・・・はぁ、美しい」
この中盤の部屋のシーンがもう非常に美しい。とにかく観ていて気持ちがいいのだ。

そして映画の後半ではさらに美しい映像の連続が、地中海の絶景の島”カプリ島”で展開される。この絶景の島の先に現れる古いモダンなホテルのロケ地がとにかく息を呑むほどに美しい・・・。画面に魅入ってしまうというのはこのようなことを言うのだろう。シネスコで切り取られる美しい風景・・・。何度も言うがこんなに美しい風景が連続する映画なんて世界中(いや100年の映画史の中にも)どこ探したってない。それほどまでにこの『軽蔑』の風景は美しいのである。

ゴダール唯一のお金のかかった大作であるとか、映画内映画だとか、見事なテーマ音楽、夫婦の不毛な終焉のストーリーなどこの作品には色々な要素があるのだが、しかしこの作品に置いてそれらはあくまで二次的な要素であると僕は考える。

そうだ、『軽蔑』は”美しい原色による風景の映画”なのだ。



c0107704_2003354.jpg『軽蔑』(63年/フランス・イタリア)
監督:ジャン・リュック・ゴダール   ★★★★
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by akazami | 2010-08-12 20:05 | 映画
2010年8月8日(
映画オールタイムベスト10
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毎日毎日茹だるような暑さである・・・。
これだけ暑いといつにもまして”無気力”になってしまう。あーだるい、極めてだるい・・・。

毎日更新するぞとばかりにブログを再開した僕であるが、これから新しい会社で新しい仕事に従事することになったので、今後はブログの更新率は低下するだろうことが予想される(まだ仕事とプライベートのバランスをうまくとることができない為)。それでもできるだけ近況報告も兼ねて更新はしたいと思っている。

そんなこんなではあるが、ここで前に記事として書いたエントリーを再度掲載しようと思う。
自分の今までの人生を振り返った映画のベスト10である。読者がどう思うかは別にして自分にとって映画をこうやって振り返ることはけっこう重要であった。(順位の内容などは現在も全く変わっていません)



(2007年9月の記事を再掲載)
とりあえず、ブログを再公開したが、特に新しく書くことはあまりない。
ほとんどこの半年間は”仕事”ばかりしていたので、正直ここに書くことがあんまり・・・ない。
(仕事の話は書かないので)

しかしちょうど3ヶ月前の休みの日に”重要なこと”をしたのでそれを書く。
それは”自分が好きな映画のベスト10を本気で選ぶ”ということ。
これをやろうとしたきっかけは、自分は「映画が好きだ、映画を撮る」と周りに言っているので
みんなが同じ質問をする。

「一番好きな映画って何?」

みんなが口をそろえて聞くが、はっきり言ってこの質問が一番困る・・・。こっち作品もすごいし、あの映画も素晴らしすぎる・・・。好きな映画なんて山ほどあるし、たくさんありすぎて一番なんてなかなか決められない。でももしかしたら”今まで観てきた映画を徹底的に思い出して、好きな順番を決定するという行為も、自分の映画観を見つめ直すという意味でけっこう重要かもしれないぞ”と考えた。

しかし考え始めるとやはりかなり苦労した・・・。自分の中で”何をもって優劣を決めるか”が意外と不鮮明だったからだ。何事も優劣を決めるには”判断基準”が必要になってくる。当然のことであるが、その対象が映画や音楽などの芸術作品の場合はやはりその判断基準が決める人間のセンスによるところが大きくなるのでやはり”曖昧に”なる。

下のベストオールタイムベスト10はあらゆる決定要素をひっくるめて考え抜いた末のランキング。とりあえず決定したので満足。あー気分もスッキリ。

【風見篤史の映画オールタイムベスト10】

1. 『ミリオンダラー・ベイビー』 監督:クリント・イーストウッド
  (2004年/アメリカ映画)

2. 『気狂いピエロ』 監督:ジャン・リュック・ゴダール
  (1965年/フランス映画)

3. 『ソナチネ』 監督:北野武
  (1993年/日本映画)

4. 『2001年宇宙の旅』 監督:スタンリー・キューブリック
  (1968年/アメリカ映画)

5. 『パリ・テキサス』 監督:ヴィム・ヴェンダース
  (1984年/ドイツ映画)

6. 『地獄の黙示録』 監督:フランシス・フォード・コッポラ
  (1979年/アメリカ映画)

7. 『三里塚・第二砦の人々』 監督:小川伸介
  (1971年/日本映画)

8. 『カップルズ』 監督:エドワード・ヤン
  (1996年/台湾映画)

9. 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』 監督:ラース・フォン・トリアー
  (2000年/デンマーク映画)

10.『ユリイカ』 監督:青山真治
  (2000年/日本映画)


【風見篤史の好きな映画監督ベスト10】

1. ジャン・リュック・ゴダール
2. 北野武
3. クリント・イーストウッド
4. スティーブン・スピルバーグ
5. 黒澤明
6. 候孝賢
7. ヴィム・ヴェンダース
8. 黒沢清
9. 王家衛
10.アキ・カウリスマキ
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by akazami | 2010-08-09 01:48 | 映画

アルファビル

2010年8月3日(水)
アルファビル
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今日もグッタリの一日。
この暑さではどうしようもない・・・早く秋になって欲しいと願うばかり。

DVD『アルファビル』(監督:ジャン=リュック・ゴダール)を鑑賞。
今回ゴダールの未見の作品を含め、レトロスペクティブ的に観直そうと試みているのだが、
この『アルファビル』は10年以上ぶり大阪で観た以来に再見した。

今回も他のゴダール作品同様にハイセンスな”デザイン映画”だった。
モノクロのパリの夜、モダニズズファニチャー、近代建築、トレンチコートとレトロな拳銃・・・
この映画を一言に表すと
レトロフューチャーモダン風ハードボイルドSF活劇”か
(ちと長いか)
センス抜群のモノクロ作品だが、物語の内容はあまりよく分からずで少々間延びした感じで時間が長く感じたが、帽子とトレンチコートをはずさないエディ・コンスタンティーヌのカッコよさに見事にしびれた。



c0107704_19595464.jpg『アルファビル』(65年/フランス)
監督:ジャン=リュック・ゴダール   ★★☆
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by akazami | 2010-08-04 20:02 | 映画

気狂いピエロ

2010年8月3日(火)
気狂いピエロ
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今日は新しい会社のプレゼンに参加。久々に”脳”を使ったので
少々疲れた。しかし新しい人間とコミュニケーションすることはよいことだ。休みながら・・・この調子で行こう。新宿TSUTAYAにVHSを郵送で返却した。地方の人間にとってはすっごく便利なサービスだ

DVD『気狂いピエロ』(監督:ジャン=リュック・ゴダール)を鑑賞。

"「僕は地中海の水平線に向けた大きな疑問符だ・・・」"

60年代ゴダールの歴史的大傑作。
この『気狂いピエロ』には登場人物の映画監督サミュエル・フラーが言うとおり、映画のすべてが詰まっている。「映画とは戦場だ・・・愛、憎しみ、行動、暴力、死・・・つまり感動だ」。

色彩(原色)の洪水、映像/音響のコラージュ的な斬新な編集、ミュージカル、デザイン性の高い映像センス、ファッション、詩や絵画の引用、実験的な映画話法・・・などなど初期ゴダールの前衛的な手法が非常に高いレベルで結実している点で、彼の代表作となっている。

この映画はもう何度となく観ているが、何度観ても飽きないし、毎回その前衛的な映画のデザイン性やアナーキーな音響表現、インテリ男フェルディナン破滅的な行動、魅惑的で謎めいたアンナ。カリーナに魅了されっぱなし・・・。

若い男女の破滅的な逃避行という割とシンプルなストーリーを、通常の映画文法からは遥かに逸脱した語り方に”映画の自由”を改めて芸術家に感じた。

いつか高度にデザインされた映画を撮ってみたいと思っている僕としてはまさにこの『気狂いピエロ』は僕の”永遠のバイブル”とも言うべき作品であり、”デザイン映画の最高峰”としてあらゆる映画の中で頂点に存在するのである。

c0107704_219715.jpg『気狂いピエロ』(65年/フランス)
監督:ジャン=リュック・ゴダール   ★★★★★
 
 
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by akazami | 2010-08-04 02:23 | 映画

女と男のいる舗道

2010年8月1日(
女と男のいる舗道
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昨日も超暑かった・・・。
ホントに僕は溶けそうで、溶けたら脂肪分が大量に流れ出すだろうと考えると朝からゾッとします・・・あと大事な髪も抜けそう・・・。今年の夏は予定などは皆無なので「1日でも早く涼しく穏やかな秋に進んでほしい・・・」そう日々感じています。

VHS『女と男のいる舗道』(監督:ジャン・リュック・ゴダール)を鑑賞。
女優志望の若い女がパリで娼婦として人生を悲劇的に生きる姿を、12章の短い断片的エピソードとして描いたモノクロ・コラージュ的なエッセイ風な映画。

この作品も他のゴダール作品同様に“高度な映画デザイン性”を感じさせる映画である。アンナ・カリーナのアップにシンプルなタイポグラフィでクレジットが被ってゆく冒頭のシーンからもそれがよく分かる。ここでもゴダールの映画デザインセンスは抜群で、非常に小さい数字とアルファベットが短い章ごとに挿入される字幕も個人的にはたまらない魅力になっている。

僕は勝手に思うのだが、きっとゴダールは”ショートボブのアンナ・カリーナがカフェでタバコをくゆらせる画を、モノクロで撮りたい”と思っていたに違いない。
個人的にはアンナ・カリーナをあまり美しいと思ったことはないのだが、この映画での白いジタンを吹かすアンナ・カリーナの仕草はクールでモダンですごく魅力的。

映画としてはとても美しい作品なのであるのだが、他のゴダール作品に比べると何となく各章ごとの構成がアンバランスであり(そのアンバラス加減が魅力と言えば魅力と言えなくもないが)、全体としては”詩的な佳作”という印象が強い。

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『女と男のいる舗道』(62年/フランス)
監督:ジャン・リュック・ゴダール   ★★★☆
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by akazami | 2010-08-01 00:12 | 映画