風見篤史のブログ


by akazami
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爆音映画祭オールナイトを堪能

2008年5月25日( 
爆音映画祭オールナイトを堪能


昨日の夜吉祥寺で開催されていた「爆音映画祭」の後夜祭オールナイトに行ってきた。
随分前からぜひとも駆けつけたいと思っていたので最終日にいけてよかった。
代表の樋口泰人氏、篠崎誠監督、中原昌也氏など方々もいらっしゃっていたようだ。
ライナップは黒沢清の『ココロ、オドル』、スピルバーグの『プライベート・ライアン』、ペキンパーの『ワイルドバンチ』。

僕が期待は一つ『プライベート・ライアン』をデカいスクリーンなにより”爆音”で観たい!ということ。
映画が始まるとあの有名な”冒頭の20分”が始まる。普通に観てもすごい迫力とシーンなのだがそれを”爆音”で観ると巨大スピーカーからの大音量の中、言葉では現せないほどの恐ろしい恐怖と地獄の世界に自分も一瞬して連れ込まれた。マシンガンの音、ピュン!ピュン!弾丸が自分に向かっているようなリアル、足元から堅田に響く爆発の重低音、トム・ハンクスが目の前のあまりの地獄絵図を前にして聴覚機能を失い一瞬周りの音が聞こえなる時短い無音、またすぐピュン!、カン!とヘルメットに当る銃弾、爆破シーンの爆音・・・。とにかくすごい・・・とんでもない・・・その時明らかに自分もその1944年のフランス海岸の壮絶な戦場にいるような錯覚を覚えた。

実はこの”冒頭の20分を爆音で感じたい!”という欲望のみで観に来たのだが、爆音の素晴らしさを感じたハイライトはそこではなかった。
で、真のハイライトとはクライマックスの”橋での戦闘シーン”だった。画面奥からドイツ軍の戦車がゆっくりとこちらへと進んでくるときのその音!ズクズクズクズク・・・ものすごい重低音が足元から響き、観ている自分の緊張度も極度に高まる。鳴り響くマシンガンの音は聴覚をを超え脳に突きささっって、「弾がない!オパム弾を早くくれ!”!!」命を懸けて戦う兵士たちの叫び声が心を突き刺す。

まぁとにかく凄かった・・・。樋口氏もトークで話されていたが、派手な戦闘シーンや音楽の爆音のみが”爆音で映画を観る”魅力ではなく、逆の何の音もない静かなシーンも爆音で観る一つの魅力であることに気が付いた。一見なんの音もないような場面でもさまざまな”音”が聞こえてくる。これはDVD鑑賞では絶対にわからないことである。監督が小さくで微かな音にさえどれだけこだわって作っているのかが分かりその”作品への思い”と”こだわりに感動した。

『プライベート・ライアン』超大好きな映画なのでこの先も何度となく観ると思うが、2008年の昨日、雨降る真夜中に吉祥寺の映画館で”爆音で観た『プライベート・ライアン』”を超える体験はできないだろう。

ちなみにこの映画を観るのは3回目であるが、その命賭けて戦った男たちのドラマにまたもや大泣きしてしまった・・・。涙でメガネが曇るほど涙が溢れてきた・・・。大好きなシーンは部下同士の争いに対して「俺は元は高校の教師だ」と語るシーン。それと銃など撃ったこともない気弱で臆病者のオパムが一度降服しミラー大尉の温情で逃がしたにもかかわらずその約束を簡単に裏切り、また戦線復帰をしてラストでまた同じように両手をあげて降服の意思を表して命乞いをする敵兵を冷静な目で撃ち殺す場面。そして死ぬ直前にミラー大尉がライアンに最後の力を振り絞って伝えた言葉。
しっかり生きろ・・・無駄にするな・・・

自分一人を本国へ返す為に死んでいった仲間たち。ミラー大尉の墓の前で老人となったライアンは橋の上で戦死したミラー大尉に語りかける。
あの時橋でのあなたの言葉を、今まで1日も忘れたことはありませんでした・・・

そしてライアンは隣の妻に尋ねる。
私はいい人間だっただろうか?きちんと人生を送っただろうか?」
妻はそんな夫を優しく抱き寄せる。
ライアンは第二次世界大戦終盤1944年6月のフランス、あの時に自分のために死んでいった仲間の分まで一生懸命生きたのだ。
後ろで見守る大人となった子供や孫たちの姿がそれを証明している。

最後は”爆音”を越えて、純粋なこの映画の素晴らしさ心が震え、涙が溢れた。
スティーブン・スピルバーグ・・・。
僕はこの『Saving Private Ryan』という映画が、心から大好きだ。

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【爆音映画祭HP】
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by akazami | 2008-05-25 20:32 | 映画