風見篤史のブログ


by akazami
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『霧の中の風景』

2011年1月15日(土)
『霧の中の風景』
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ここ最近の苦しい精神状態からやっと回復してきたようだ。しかし、いつまた鬱の波が押し寄せてくるかわからない。いったん波が立つともう恐怖と憂鬱と強烈な不安感(あるいは絶望感)に耐えるしかない。そう、耐えるしかないのだ。この絶望感に打ち勝つにはポジティブな思考しかない。「なるようになるさ」と気楽に考えるのが一番有効であるが、なかなかできないのが僕である。

VHS『霧の中の風景』(監督:テオ・アンゲロプロス)を鑑賞する。
昔見たときの美しいイメージがあったが、今回は全体としてあまり心に響かなかった。もっと美しいロングショットがたくさんあった印象だったのだが、どうもグッとくるようなイメージがない。それにアンゲロプロスはビスタサイズかシネスコだろうと思い込んでいたのだが、『旅芸人の記録』など他の作品も含めてこの監督はスタンダードで撮っているようだ。あれー?

しかしながら、無人の高速道路でのシーンや、雪を見上げて動かない大人たちの中を駆け抜けてゆく少女たち、海から突如引き上げられる人差し指の欠けた巨大な石造、など幻想的な場面はやはり秀逸。

この監督は贅沢な芸術家でイメージに合うような曇天の空を10日も平気で待つらしい(昔蓮貫重彦のインタビューで読んだ)。まるで黒澤明のようで今の日本映画界では考えられない・・・。ギリシャでもアンゲロプロスだけは別格なのか?

アンゲロプロスはまだ未見の作品はいくつかあるがあまり気が進まなくなった。もっと天才的な映像作家の印象があったのだが・・・。同じビクトル・エリセやタルコフスキー、ホウ・シャオシェンなどの風景系の作家見直してみたらどうなのだろう?『ミツバチのささやき』などは学生の頃はおおーと感動したが、今観たらけっこう退屈な作品なのかもしれない。

c0107704_4564296.jpg『霧の中の風景』(1988/ギリシャ)
監督:テオ・アンゲロプロス   ★★☆
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by akazami | 2011-01-16 05:09 | 映画