風見篤史のブログ


by akazami
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瀬々的風景

2010年11月8日(月)
瀬々的風景
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今日千葉の内陸部を車で走っていたら、グッとくる風景に巻き込まれた。枯れ草が覆う寂れた景色中を走る単線の線路(関東地区で単線は珍しい)、だだっ広い田園地帯、並ぶ鉄塔、そして湿地帯なのか微妙にそそる沼、川、土手・・・。ハンドルを握りながらそんな殺風景な景色を見ていたら久し振りに「ここで映画撮りてぇー!」と心の中で叫んでいた。

僕は映画を撮りたいと強く思うパターンが2種類ある。一つは音楽からインスピレーションがきて映像が頭の中に浮かぶパターンと、その場所(ロケ地)の独特の感触から強烈な”映画性”をイメージとして頭の中にフラッシュするパターンである(ちなみに小説や他の映画のストーリーいわばその”物語性”から自分の映画のインスピレーションを受けることは意外に少ない)。今日のは明らかに後者のパターンで、こういう風景からの映画的イメージを受けたときは、心の中で狂喜乱舞している。

その荒涼とし寂寥感漂う風景はまさに天才・瀬々敬久の大傑作『雷魚 黒い下着の女』を連想させる。実際に撮影された場所もこの近くの印旛村付近ということであるから当然かもしれない。瀬々監督ほど”映画的な風景”に敏感な映画監督はいない(監督ではないが名カメラマンの”たむらまさき”もすごい風景を撮る才能がある数少ない映画人である)。大の瀬々敬久ファンとしては現在公開されている彼の集大成的な作品で最新作の『ヘブンズ・ストーリー』も観なければいけないのだが・・・。

世界的に見ても貴重な”風景映画作家 瀬々敬久”を思い出した一日であった。
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by akazami | 2010-11-08 22:28